スキップしてメイン コンテンツに移動

上智大学に合格した課題レポート【原本】

皆さんこんばんは。
今日は、上智大学総合グローバル学部を受験する際、課題として出されていたレポートを公開します。
僕は高校時代に様々な活動をしてきたので、「よしきは一体何がしたいんだ?」と聞かれることが多々ありました。このレポートを読めば、僕が今生涯をかけてやりたいと思っていることを皆さんにご理解していただけると思います。


上智大学の公募推薦を受験する際、どの学部でも課題レポートを提出しなければなりません。(その後、大学で行われる試験と面接の総合点で合否が決まります)学部ごとによってテーマは違いますが、(上智大を受験した友人によると)課題レポートの配点がとても大きく、合否を分けると言っても過言ではないほど重要だそうです。

(すぐにレポートを読みたい方は、すこし下までスキップしてください。)
僕もこのレポートの作成には大変苦戦しました。夏休みの期間から何度も何度も書き直し、やっとのことで書き終えたレポート。僕が中学3年時に全国作文コンクールで2位を受賞した作文以上にがんばりました。当然、ものすごく自信もありました。
何とか書き終えて、締め切り当日に完成したレポートを提出用に印刷したのですが、、、
誤字がないかどうか心配だったので念のため父親に見せてみると、
「これダメでしょ、落ちたね。」
そう一言言い放ち、父親は出かけて行きました。
信じられますか。締め切り当日ですよ。

・・・書き直しましたよ僕は。3時間で。ダメ出しされた父に最後にチェックしてもらいたかったのですが、出かけていましたし、時間もないので、結局自分で何度も何度も見直し、走って郵便局に提出しにいきました。
火事場の馬鹿力とはこのことですね。(ですから父は僕が絶対不合格だと最後まで確信していました。)

結果的に上智大学に合格出来ました。
僕は何かと詰めが甘い男なので(今回の件もそう)、これはダメかもなと若干落胆していたのですが、結果的に合格できて嬉しさの反面、驚いてもいます。

そのレポートを一生封印するのはもったいないので、ここで公開させてください。
このレポートを読めば僕が将来やりたいことを皆さんに理解してもらえると思います。

これを公開するのは僕のただの自己満足ですが、少しでも受験生のお役に立てるとうれしいです。

ーーーーーーーー
テーマ
あなたが現在関心を持ち、大学でさらに学びたいと考えているグローバル・イシュー(地球規模問題)を1つ取り上げ、それがどのような問題なのか説明した上で、その理解と解決のためにグローバルな視点とローカルな視点がどのように重要であるかを、具体例を挙げながら述べなさい。(2000字程度)

ーーーーーーーー以下、提出したレポートの原稿


「後発発展途上国における教育支援の在り方について ―ネパールを事例に―」

 

関 愛生

 

近年アジア地域の経済発展が目覚しく、日本や多くの先進国の企業進出が見られる。今や、アジアが世界経済に与える影響は非常に大きく、それに伴い現地の生活水準は徐々に向上してきているように見える。

一方、アジア地域には、経済発展の恩恵を受けることのできない人々が依然として多くいるのも事実だ。むしろ、経済発展が貧富の差を拡大させているという側面があり、特に後発発展途上国には早急な対応が迫られる深刻な問題が数多く存在する。

私は高校一年時、ホームステイをしながらネパールの現地校へ一年間留学した経験がある。学校が休みの期間のほぼ全てを最貧困地域の村々で過ごし貧困の現状を目の当たりにした。そして貧困とはライフラインが未整備なだけでなく、低い就学率、伝染病の蔓延、民族間の争いなど、様々な要因が複合的に重なり合った結果なのだと体感した。その中でも、劣悪な教育環境に問題意識を持った私は、教育こそが貧困と密接に関係していると強く思い、教育環境を整え、教育を普及させることが貧困の軽減への道筋となると考えた。

私がネパールで見てきた教育現場は、不衛生な学校環境、教員・教材不足、親の教育軽視などが原因で、子どもがまともに教育を受けられる状態にはなかった。実際、小学校を中途退学して働かされたり、中学生が結婚して出産するような事例が決して珍しいことではない。まともに教育を受けなかった人は、せいぜい超低賃金で長時間重労働を強いられる肉体労働にしか就けず、いつまでも貧困から抜け出すことが出来ない。

一方、教育をしっかりと受けたネパール人は優秀だ。英語は母語話者並み、理数科目も優秀、見るからに知的な若者も非常に多い。このような人々は、「職なし国」と言われるネパールでも貧困に喘がなくても済み、さらに基本的な問題解決能力が備わっているため、自国を改善する方策を語ることができる。やはり教育は重要である。

さて、ネパールのような後発発展途上国の教育を改善するためには外国からの支援が不可欠であり、その際、グローバル、ローカル両方の視点からのアプローチが必要だ。

<グローバルな視点>

 現地住民と外国政府や国際機関が連携しながら、支援地域のニーズに合った支援を行うのがグローバルな取り組みである。外国からの支援は予算規模が桁外れに大きいため、ネパールのような貧困国においてはそれに強く依存しているのが実態だ。具体的には、学校建設と運営、教員養成、教員研修、奨学金給付などである。ただし、この種の活動では支援する側と支援を受ける側の連携が不可欠であるにもかかわらず、異なる文化、思考回路を持つ者同士の共同作業には様々な困難が伴うのが現実である。ネパール語が流暢な私は、現地滞在中に日本人による支援活動のコーディネータを何度か務めたが、現地のニーズを考えない一方的な支援や、両国の考え方の違いが摩擦を生む光景をたびたび目にした。

<ローカルな視点>

 支援する側と支援を受ける側の橋渡しとなるのがローカルな視点での支援である。現地の人々と対話をしながらニーズを把握し、人々のモチベーションを高め、支援事業後の現地の人々の活動をモニターして支援者にも報告する。私は、ネパールの貧困地域に20年以上暮らし国際団体と現地の人々の間に入って支援活動に取り組む日本人と活動させていただいたが、この方が地域に根付いて活動していたからこそ、日本からの支援がうまく機能したと思う事例が多々あった。

 また、国際支援の資金が国の有力者に横領され、支援を必要としている人のもとへ行き渡らないことが頻繁にあるのが悲しい現実だ。ネパールも例外ではない。このような腐敗を防ぐために、外国政府機関や国際機関は資金運用の監視・指導を必死に行っているようであるが、それでも私はネパール在住中、資金横領の手口を具体的に見聞きし、受け渡しの場面にも何度も遭遇した。金銭的な腐敗は国の奥深くまで蔓延っており、手口も巧妙で外国の機関がそれを防ぐことは極めて困難だと私は思う。だからこそ地域事情に詳しいローカルな視点を持った人々が政府機関や国際機関と地域住民の仲介に入ることで、支援を必要としている人々の元に安全に資金を届けることができる。

以上、貧困国における劣悪な教育環境の実態についてネパールを例に私なりに分析し、支援活動を行う上でグローバルな視点とローカルな視点が必要であることを述べた。やはり何よりも大切なのはそれぞれの立場の人々が互いに相手の立場や気持ちを考えながら行動することだと考える。支援をする側は固定観念を捨てて支援を受ける側に耳を傾けなければならない。一方支援を受ける側は、支援してくれる人々の気持ちに答えるためにも、頑張って教育を発展させる努力をしなければならない。両者の間に入る人々も私利私欲のためではなく、支援を必要としている人々のことを第一に考えるべきである。

子ども達がまともな教育を受けることができるようになることは、一国のみならず世界の発展に寄与する。貧困やそれに伴う教育問題を決して他人事とは思わず同じ地球上にいる仲間たちの問題として、私たちはその解決に取り組んでいかなければならない。

ーーーーーーーー
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
受験に関して、気になることがあればいつでもコメントかメッセージください!答えられる範囲で全力でお答えします。
              



 

 

 

 

 

 







コメント

  1. このコメントは投稿者によって削除されました。

    返信削除
  2. このレポートに関して、面接では何を聞かれましたか?

    返信削除
  3. 面接ではどのようなことを中心に聞かれましたか?

    返信削除
  4. このレポートもあなたの経験もとても素晴らしいと思います。支援とそれを受けるものの間に立つことでその支援を実のあるものにすることができるというあなたの主張も十分に伝わってきました。僕も受験を考えていますので、ぜひ参考にさせていただきます。

    返信削除
  5. レポート用紙の形態について知りたいです。字の大きさや枚数、名前の書くところなど!よろしくお願いします!

    返信削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

【8年ぶりのブログ再開!】原点回帰・ネパールより

高校時代、3年以上続けていたブログ。8年ぶりの投稿となります。 タイのバンコクに住んでいた中3の夏休み、ひょんなキッカケから単身ネパールに移住し、高1の終わりまで約1年半ネパールで暮らしていた私は、我ながら珍しい経験をさせてもらっていることを自負し、日々の日常や、当時の私の思考をブログにて発信していた。 その後日本に帰国し、ネパールでのユニークな経験をアピールし上智大学に合格。受験が終わったと同時になぜかブログの更新をパッタリと辞めてしまった。 激動の社会人6年間 大学入学してからはあっという間に時間が過ぎてしまい、大学3年時に大学の単位を取り終えていた私は、4年生になったと同時にAI系スタートアップ企業の創業メンバーとしてジョインした後、5年半ほど在籍した。自社オフィスがない状態から、社員数が100名規模になるまでの急成長に貢献させていただいた。 その後、新規事業の海外展開を行うことを目的に、急成長中のEV系スタートアップに転職。しかし、諸々の事情で海外展開に携われる時期が不透明となり、入社後たった8ヶ月であえなく退職となってしまった。 そして、今、ここだ。(@ネパール・カトマンズ!) カフェに座っていたら、急に自分が昔自分がブログをやっていたことを思い出し、 再開してみることに。 なぜネパールにいるかという話はさておき... これからもきっと、今の私には想像も出来ない経験がたくさん待ち受けていると思うとワクワクする。 誰にも読んでもらえなくとも、人生の記録として、気が向いたらブログを更新してみようかなと思っている。 それでは、また更新することがあれば、その時までさようなら!

旅の醍醐味 from Phuket

スタートアップでの6年間の猛烈に刺激的な日々を経て、職なし状態になり早1ヶ月ほどが経っておりますが、ネパール2週間旅を経て、私は今タイのプーケットに10日間ほど滞在しております。 思い返せば、私は幼少期から(主には家族旅行で)20カ国以上を訪れてきており、母の母国であるドイツとインドネシアのバリ島には10回以上、タイとネパールにはそれぞれ1年間住んでいた経験があり、おかげさまで海外でも全く不自由なく生活できるような耐性を自然に身につけることが出来たと思っています。 そんな中、大学時代ぶりの長期海外旅行をしているわけですが、今回の旅で改めて感じた「旅の醍醐味」について、書き記しておこうと思います。 結論からから申しますと、私にとっての旅の醍醐味とは、「見ず知らずの土地で生活を始め、自分が少しずつその環境の一部となり、馴染んでいく感覚」を得ること。 (もっと上手い良い回しがある気がしますが...) 旅の最大の楽しみとして、旅先の世界遺産や観光地を散策するのは間違いなく素晴らしい経験になりますし、私もそのような観光は大好きなのですが、私が最も幸福感を感じるのはその対極的な過ごし方とも言えるかもしれません。 私は今回2週間近く、プーケットのSoi Ta-ledという山奥の全長1kmにも満たない小さな通りで生活しています。ここにはプーケットなのにビーチもありませんし、有名な観光地も、ナイトクラブなどの歓楽街もありません。ビーチに行くにはバイクで20分以上かかり、プーケットで有名なパトンビーチには40分以上かかるような僻地です。夜は21時を過ぎればあたりは真っ暗。 Soi Ta-led通り 夜はあたりは真っ暗だが、レストランなどは比較的遅い時間までやっています ただこの場所には、多くの世界最高レベルのムエタイジムや、CrossFitなどのフィットネス施設が揃っているため、世界中からアスリートやフィットネス好きの人々が集まり、少なくとも数週間以上を過ごしている人が多いです。とは言え、観光客の数もかなり少なく、とても緩やかに時間が流れるローカル感溢れる街です。 CrossFitに特化したジム・Unit27 世界中のトップアスリートレベルの人々が集まっています ムエタイジム・Appolo。日本では見かけない巨大なジムが点在しているエリアです。 全くアスリートとは言えない私がなぜこの場