四日目(2) ABCに到着し記念撮影 ついにABCに到着。やっと着いた。つらかった・・・。この四日間のつらさはこれまでの人生で経験したものとは比較にならない。それだけに到着したときの達成感は大きくは今でも決して忘れることができない。しかし、同時に僕は寒さに凍えていた。外の温度はマイナス。雪まで降ってきた。感動に浸るのもつかの間、すぐにゲストハウスに逃げ込んだが、ゲストハウスの人は暖房をつけてくれない。あれほど寒いと感じたのは生まれて初めてのことで「寒い」と言うこと以外に他のことは何も考えられなかった。その証拠に、その日だけは日記が書かれていない。歩行時間や現在地などの記録はしてあったが、それ以上は手が震えて上手く書けなかったように記憶している。ヒマラヤで亡くなった多くの人々はこれよりももっとひどい寒さに一人きりで必死に耐え、何とか生き延びようと苦闘し、しかしそれも叶わず凍死してしまったのだと考えると、この大自然の中では一人の人間など本当にちっぽけな存在にすぎないのだと思わざるを得なかった。 ところで、 ABC 到着までの道のりで多くのつらい思いをしたが、実はこれは全て自分の準備不足が原因だ。まだ雨季のシーズンの登山。毎日の雨の影響で、行く道はどこも水がたまっていて、足首の少し下まで水没してしまうことが多く、毎日靴がビショビショに濡れていた。僕が履いてい靴は登山用ではなく普通のスポーツシューズ。これがこの旅の一番のミスだったと思う。僕以外のトレッカー、ガイドさん、そして村人までもがウォータープルーフ(水を通さない)のトレッキングシューズを履いていた。ヒマラヤを完全に甘くみていた。 この中で寒さと闘っていました。 朝起きて、ゲストハウスを出発するときのあの凍っているように冷たいスポーツシューズ・・・。思い出すだけでも寒くなってしまう(笑)。 そして、もう一つの大きな問題点は防寒対策だ。トレッキング会社の人には、この時期ダウンジャケットは要らないと言われたが、絶対にそんなことはない。ABCはマイナスの世界。絶対にダウンジャケットは必要だ。雨具を着ていても、雨水が中に浸み込みTシャツまで濡れてしまう(僕は毎日、濡れてものすごく冷たくなったTシャツを着続けるしかなかった)。もっと高所のゲストハウスもない所ならば、僕は恐らく凍え死んで...
ドイツの母と日本の父を持つ高校3年生。 高校1年間でネパールに単身ホームステイ。 世界へ飛び出せ高校生!(せかとび)創立者/代表の関愛生(よしき)のブログです。 ブログ開始から早3年。今後ともよろしくおねがいいたします!